次に昨年末に制定・施行されました「命を守るとくしま-0(ゼロ)作戦条例」におけます、土地利用の規制緩和について質問して参ります。

この条例には、津波浸水のおそれがある区域や、活断層が走っている区域におけます、建物の建築制限などを含めた土地利用の規制を行うという、内容が盛り込まれております。

私は、この条例に「県民の命を守る」という知事の強い思いを感じるところではありますが、その一方で、土地利用の規制だけが大きく取り上げられている現状では、その地域の活力を失うことになってしまわないかとの懸念を感じております。

今、アベノミクスにより、ようやく日本経済にも復調の兆しがあらわれはじめました。 こうしたなか、 地方におきましても民間投資を喚起する「成長戦略」が、求められておりますが、本県におきまして、それは何かと考えるとき、私は、県民の「安全・安心」を守るための「国土強靱化」であると思うのであります。

県民皆さんが、明るい話題を渇望しております。私は、今回の条例もまた、「国土強靱化」とそれによる「地域の活性化」につながるものでなければならないと考えております。

昨年公表されました津波浸水想定では、私の地元徳島市川内町の沿岸部は、驚くべき想定が示されました。また、先日は条例に基づき、全国に前例のない中央構造線の「特定活断層調査区域」が公表されております。

県が、津波浸水や活断層の危険性をあらかじめ県民に示すことは極めて重要なことであると思います。しかし、そのために「土地利用が制限される」ということだけでは、住民の不安を煽るだけで、地域の活力が根こそぎ失われてしまってはいけないように思います。

知事は、この2月議会におきまして、活断層や津波浸水などの危険な区域の指定に伴う「土地利用規制」と併せて、安全な区域への移転を容易にする「規制緩和」を行うと明言されました。しかし、その内容がどのようなものであるのか、十分に県民に周知出来ているとは言えないのではないでしょうか。

私は、「規制」だけではなく、「緩和」の内容についても県民に十分周知をし、災害に強い、そしてまた、地域が活性化する、新しい徳島の姿を県民に示すべきだと考えます。


そこでお伺いをする訳でありますが、

「命を守るとくしま-0(ゼロ)作戦条例」におけます「土地利用規制の緩和」について、具体的にどのように進めるおつもりなのか、その方針をお伺いしたいと思います。
知事のご所見をお願いいたします。

次ぎに、南海トラフ巨大地震の想定につきまして質問をして参ります。

昨年10月、県から津波浸水想定が発表されました。
これを見て見ますと、従来より浸水地域が大きく広がったのは、吉野川北岸の平野部でありまして、西は藍住町の一部にまで広がってきております。

ご存じの通り、徳島市の川内・応神地区、松茂町、北島町、藍住町には、高い山は一つもなく、高いビルも少ないために、この浸水想定を受け、地元の自主防災会や住民の方々は、まずは、どこへ逃げるべきなのか、避難所を賢明に探しているところであり、高速道路の法面もその一つであります。

このような中、南海トラフ巨大地震に関しまして、国では、3月に被害想定が、最終的にとりまとめられたところであります。
これによりますと、徳島県下では、最大3万3千3百人の犠牲者に加え、県人口の半分に当たる39万人もの避難者が発生するとされております。

本県では津波浸水想定のほか、震災に備える2つの条例、「震災に強い社会作り条例」と、自由民主党・県民会議が要望してきました「震災対策基金条例」が12月に制定・施行され、震災に備える体制は着々と整ってきたと思います。
これからは、この体制を活用して、県と各市町村がともに連携し、対策をより本格的、より具体的に実行していく段階ではなかろうかと思います。

幸い津波から一次的に避難できたとしても、国の想定通り、家を失った大量の避難者が発生した場合、備蓄物資の確保や避難所の整備を、各地域でどう進めていけばいいのか。まだまだ課題が山積いたしております。

これらを解決するためにも、国の被害想定をもとに、県内各地の被害状況がわかる詳しい被害想定を、一刻も早く策定する必要があると考えます。

そこでお伺いをいたします。

県ではどのような被害想定を、いつ頃までに公表し、それを今後の地震・津波対策にどう活かしていくのか、所見をお伺いいたします

次ぎに、防災訓練(9月1日)についてお伺いをいたします。

「震災に強い社会づくり条例」では「9月1日」 を「徳島県震災を考える日」と位置づけておりますが、その「9月1日」を中心に、県民一人ひとりが、震災についての認識を深め、震災対策のより一層の充実を図っていく必要があると思います。

先ほども申しました、国から出されました「南海トラフ巨大地震対策の最終報告」におきましても、超高域にわたり強い揺れと巨大な津波が発生し、避難を必要とする津波の到達時間も極めて短いという特徴から、その被害はこれまで想定されて来ました地震とは全く異なるものと想定されております。
その上で、南海トラフ巨大地震に対応するための考え方として、まずは、「命を守る」、県民一人ひとりが主体的に迅速に適切に避難することが求められております。

そのような大規模で広域な自然災害が発生した場合に、県や市町村などの防災関係機関はもとより、県民・事業者の一人ひとりが即座に適切な行動をとることが果たして可能なのでありましょうか。

もちろん、大規模地震に対するハード・ソフトの事前防災対策が必要なことは言うまでもありません。
しかしながら、まずは、実態の災害発生に即して、個々が避難行動や防災期間の災害応急活動が迅速かつ適切にとれること、そして定着させる事を第一に目指すべきでは無いかと思う訳であります。
訓練の為の訓練にならないよう切に願っております。

たとえば、「防災訓練」なども県内各地で頻繁に行われていると思いますが、徳島市の川内地区では、実際に高速道路の法面を活用した住民の方の避難訓練を実施するなど、実際の場面を想定し、いろいろな工夫を加えた取り組みも始まりつつあります。

実際の災害に備えまして、行政機関、地域住民、事業者等の地域が一体となって、具体的な行動を想定し継続的に訓練すること、そういう段階にきていると思います。

南海トラフ巨大地震を迎え撃つとともに、「自らの命を守る」ためには、まさに日頃の準備に尽きるわけであります。

そこで、条例元年である本年「震災を考える日」に位置づけられている9月1日には、どのような防災訓練を予定されているのでしょうか。

ご答弁をお願いいたします。