徳島県議会議員 笠井国利の部屋

委員会発言

平成24年9月定例会 防災対策特別委員会(付託)

平成24年10月5日(金)
笠井委員
私も何点かお尋ねしたいと思います。

国の津波被害想定が大きく見直されまして、特に川内町の私ども住民は、あれ以来ほんとに心配しております。 20日にも、知事に早く安心をということで、嘆願書も出しました。 それ以外に、今まで言ってなかった徳島道にも階段をつけてもらえないだろうか、あるいは、避難箇所2カ所あるんですけども、それ以外に避難階段をちょっとつけてもらえんだろうかと、いろんな要望があるわけなんですけども。 高速道路に階段をつけるやいうこと聞いたことありますか、まずそれをお聞きしたいと思います。避難所以外にね。
杉本道路整備課長
高速道路に階段をという御質問でございます。
まず、東海、東南海、南海の三連動を迎え撃つ有効な政策としまして、昨年8月全国初の事例となります、四国横断自動車道の徳島市域に設置する津波避難場所に関して、県、徳島市、NEXCO西日本の3者により協定を締結しまして、現在四国横断自動車道鳴門徳島間の整備に合わせまして、徳島市川内町の2カ所において避難場所の設置を進めているところでございます。

徳島ジャンクションから徳島東インターチェンジ間の陸上部においても、盛り土工事ということで、陸の防潮堤、それから避難場所として補助的機能が期待されているところでございます。

高速道路の階段の話でございますが、高速道路におきましては、事故によります高速道路の路面のオイルなどの散乱を想定しまして、周辺環境を汚染しないように、路面排水の集水箇所に油水分離桝、これは油と水を分離する升でございますけれども、そういったものが設置されます。NEXCO西日本によりますと、現在整備中の四国横断自動車道の鳴門徳島間におきましても、盛り土区間に油水分離桝の設置が計画されており、これにあわせまして、管理用階段が設置されるということで、現在この配置計画を検討中ということでございます。
笠井委員
てことは、避難場所以外にそういう階段をつけられるということを御存じなわけですね。それの、例えば何メートルおきにつくるか、そこまではまだ把握してないということですね。ちょっと返事お願いします。
杉本道路整備課長
配置計画は検討中でございますが、箇所については一般的には300メートルとか、500メートルとか、いったぐあいで通常ついてるということで、これは高速道路の縦断勾配によって変わると聞いております。
笠井委員
わかりました。確かに横断道路、とりあえず今つくってる分で2箇所できるんですけども、やっぱり津波想定が見直されましてから、我々川内っていうのはゼロメートル地帯がありますんで、ほんとに心配してるわけです。あれまでは、徳島道の階段つけてくれということは言われてなかったんですけども、あれ以来、徳島道のほうにも階段つけてくれというような要望が非常に聞こえてまいります。

そこで、実は私知事に嘆願書出しまして、それから市長のところにも出しまして、西日本のほうにも行きまして、所長さんから、今言われたように、油水の管理階段としてつけられると、その話を聞いたんです。確かに避難場所の近くはそこへ逃げられるんやけども、そこまで逃げるのが遠いところでも、やっぱり津波の心配がある地区は、そういう階段があるんだったら利用させてもらえないかということを、私もお願いしたんですけども。これは例えば、その管理階段の一番上を少しだけでも。そんな米津とか富吉みたいに800人も、600人も逃げるとこじゃなくて、10人でも、15人でも。その代わり、例えば今言いましたように、300メートルおき、500メートルおきにあるんであれば、近くの人が逃げられるという要望っていうのは、県からNEXCOに対してできないでしょうか。
杉本道路整備課長
盛り土の管理用階段を避難場所として利用できないかという御質問でございますが、盛り土部におけます管理用階段を利用した緊急避難場所の設置については、高速道路区域へのみだり立ち入りを制限する門扉の設置、それから避難時におけます高速道路を走行します車両、避難者双方の安全の確保、そういった管理運営面での課題の検討が必要であります。

今後西日本高速道路株式会社など、関係機関と協議を進めてまいりたいと考えております。以上です。
笠井委員
そういうことであれば、行政側からもお願いできるということですね。

実は24年7月11日の徳島新聞の朝刊なんですけども、仙台東部道路の13カ所は震災後のり面に階段をつくり、道路脇にフェンスで隔てた避難ゾーンを設けたと。関係者以外の立ち入りは禁止の区域だが、住民が階段などの掃除名目で関係者として入れるようにしたって書いてるんです。

徳島道あるいは横断道においても、こういうことが同じように可能じゃないかと思うんです。確かに、通常は自動車道ですんで登ったりする人はないんです。確かに車が走ってて危ないかもわかりませんけども、緊急時において、あそこの上をふだんとおんなじように、高速道路、あるいは自動車道路だからといって、車が走り回ることはそんなに考えられないと思いますし、また住民も自動車道路がわかっとって、車来ているのがわかとって、道のそばまで行ったりすることはないと思うんです。

ここに書いてあるように、仙台の場合は掃除目的で関係者として入るようにしたということで、徳島県からもこういう事例があると、徳島道においても、あるいは横断道路においても、こういうふうな目的でさしてもらえないかっていうんを、十分国土交通省なり、あるいはNEXCOさんに要望して、させてもらえるんじゃないかと思います。そこんとこ、できる、できんじゃなくて、こういう事例があるんで、強く要望してもらえないかと思うんですけど、その意気込みお聞かせいただければと思います。
中内道路局長
高速道路の盛り土部の津波避難場所としての利用というのは、先ほど課長から説明があったとおりでございますけれども、そういった形で、新しい形が出てきているということもございます。ただ、先ほどの本線利用の話は高速道路としてのルールからして、やはりそこを使うというのは、いかがなものかということもございますので、そういった新たな形でできるのかどうか、そういったことも含めて、NEXCO西日本と協議をしてまいりたいと考えております。
笠井委員
確かに、自動車道路は人間が上がる場所じゃないのはわかっとるんで、いや上がってもよろしいですよっていうのは、行政として、あるいは高速道路を管理してる会社としては、絶対に言えないと思います。使うてくださいということはね。だけど、緊急時勝手に入る部分まではとめんと思うんですよ。ですから、入れるように。せめて入れないまでも、上に10人ぐらいが行けるようなちょっと広い場所を設けていただいたらと思うんです。

そういうことで、非常に住民の強い要望があるということを、行政からも訴えてほしいなあと。我々住民からも事あるごとに、これから南進する、進める間で、またNEXCOさんとも協議があると思いますので、住民は住民でNEXCOさんのほうに、そういうふうな使い方ができないかと要望してまいりますけども、行政としても、側面的にそういうふうにお願いいただけたらと思っております。
それから、これは24年2月14日に、私がかなり厳しく、ほんまに県庁ってつかれへんのかということで追求しまして、ほな5メートルが来てもつかれへんのかって言うたら、やっとつかりますという答弁いただきまして。そのときに自家発電装置、通常電源なんかは、2013年度に屋上に設置すると、12年度は設置方法の検討とか、設計を行うということで、それ以外の例えば地下の機械室などには水密扉を設置したり、1階玄関や地下気孔口は緊急時に防潮パネルを設置するということが言われてたんですけど、これは24年度、もうすでにこの工事は始まってるんですか。確認したいんですけど。
楠本南海地震防災課長
総務の管財課が所管しております。設計に関しましては、昨年の2月先議で先行させていただきまして、現在9月補正におきましても、まず防災拠点施設であります本庁舎、南部総合県民局美波庁舎、阿南庁舎につきまして、津波浸水被害を最小限に抑え、防災機能の強化を図るための実施設計を今進めておるところと聞いております。実施設計が完了後、今年度中に3庁舎におきまして、まず、防潮パネルの設置でありますとか、緊急性の高い建築的な津波対策工事を実施することにしているところでございます。

あと、具体的には本庁舎におきましては、非常用の電源を確保するため、現在の地下2階にあります自家発電設備、受変電設備を更新して、屋上へ移設する工事を進めると報告受けております。
笠井委員
今話を聞いてますと、工事の進捗状況も順調に進んでるということで、早急に自家発電装置を屋上のほうに。通信指令がとまりますと、ほんとに徳島県中、通信が途絶えるということで、どうしても一番最初に指令を出す県庁には、早くそういうことをしてほしいなあと思っております。

次に、これは平成24年8月14日、国土交通省四国地方整備局徳島河川国道事務所という名前で、こういうふうな河川堤防の地震、津波対策の必要区間概要図っていうのが出されております。これを見ておりますと、この中に、平成24年度耐震工事箇所位置図っていうのがあります。これを見ますと、ほんとに旧吉野川、今切川で液状化されるとこがわかってるんだけども、予算が55億円ですか、55億円でもってこの液状化対策の工事が進められるということでありますけども、55億円でこれだけしかできないということですか。
重本河川振興課長
55億円というのは昨年の3次補正において、全国防災でついた額でございます。それで、そのうち今8月に出た図面につきましては、設計が終わって、用地とかそういう問題のないところで、まずやらなくてはいけないところということで、図面にさせていただいております。

そこに載ってます総額というのは、ちょっと私も把握はしてないんですけど、今年度につきましても、全国防災の予算、この9月の県予算におきまして、負担金をお願いしてるところでございますが、それによってもやっていくところでございますので、まず昨年の予算のうちでそれぐらいやると聞いております。
笠井委員
この図面持ってますね。大体これだけするのに55億円要ると。そしたら、もっと先のページの国土交通省が示されておる、これだけをやるってことになったら、非常に期間もかかるし、予算もかかると思うんですけど。これは防災減災の観点から、国のほうも力を入れてやっていってくれると思うんで。とにかく徳島県は、三連動地震が起きて、あるいは南海トラフが動いた場合、すごい被害が出ると、しかもこの地区は人口も多いし、工業地帯も入ってると、だから一たん被害が出ますと、すごい被害がでるわけです。だから、少しの予算でもって、少しでも被害が防げるんであれば、後で復旧する費用から比べたら、随分安く上がるんで、わかっているんだったら早く工事をしてくれと。

これ見ますと、北島のほうは、堤防も割と頑丈なみたいです。北島以外の松茂、川内の図見ますと、ほんとにほとんどの堤防が液状化して崩れるということでありますんで、非常に厳しいときでありますけども頑張って、予算をとっていただきたいなあと思います。

この堤防を歩いてみますと、管理用道路として舗装してあるんですけども、その舗装は管理用道路だから非常に薄いわけです。国土交通省の車が見回りに行ってるんやけども、ふだん余り車も通りませんし。私ずっとこう歩いてると、堤防に非常にクラックが入ってるんです。堤防にクラックが入ってるっていうのは、私が考えますと、車がよく通りよってクラックが入るっていうんはわかるんやけど、車も余り通らん、しかも重量の軽い車が通ってるにもかかわらず、クラックが入ってる。そのクラックが入ったとこを、目地でこうしてあるんです。これはどういうことかわかりますか。なぜこんなことしてあるのかっていうのはわかりますか。
重本河川振興課長
クラックの場所をちょっと特定できませんので、直接の原因は国のほうにも確認できておる状況ではございませんが、クラックが入るということは、それなりに堤防のところに何かあるんではないかという委員のお話だろうと思います。

共栄橋の前後のあたりかと思われますが、ここにおいても、昨年度からことしにかけまして、災害の復旧事業とか維持管理において、堤内側、要するに民地側でございますが、維持管理工事を行ってます。そこのところのちょうど天端のところにも舗装を直した跡がありますので、委員おっしゃられるのはそこのことかなと思われます。堤体のそういう異常に関しましても、国のほうでは、そういう維持管理的な工事を行うなり、適切に維持管理に努めているところでございますので、今後とも国のほうにおきまして、適切に管理していただけるよう、県からも強く申し入れていきたいと思っております。以上でございます。
笠井委員
これは国土交通省の管理してる河川で、堤防も県の車が走ってるんじゃなくて、国土交通省の黄色い車が走ってるということで、課長にこれ以上追及しても管轄が違うんで酷かと思いますけども、今切川の河川堤防には、そういう箇所がいっぱいあるわけです。住民が利用してるところもあるし、あるいは国土交通省だけの車が走っているところもあるんですけども、非常にクラックが入ってる。

これは、恐らく川内町、松茂っていうのは吉野川のデルタ地帯なんで、底がほとんど砂とか、あるいはヘドロとかで浮いた土地でありますんで、ちょっとの揺れとか、そういうことによって小さな液状化が起きて、堤防が沈んだり、あるいは川側、陸側に対して伸びたために、クラックが入ってるんじゃないかと思うんです。

特に、今言われました共栄橋の南と北側は、去年の、おととしだったかな、大きな台風で、ほんとに堤防を通行どめにして直さないかんぐらい崩れてしもたんです。やっと通れるようになったんですけど、そのあたりも、いろんなクラックが入っとったんです。地元のもんは非常に心配しとったんやけど、心配のとおりざれてしもたんです。確かに、ざれたとこは回復、復旧していただきましたけども、そういうとこがいっぱいあるんです。そういうとこを、やっぱり国土交通省に向けまして早く。この図面、対策必要区間の概要図に入ってないんです。これ見たら、あんだけ道にクラックが入って、今にも滑りそうな道が入ってないんです。再度これの見直しも、ぜひしていただけるように県からも要請してほしいなと思います。

国の管理河川がこうなんです。とすれば、当然県が管理してる河川もこういうとこが、いっぱいあると思うんですけども、それに対して、県のほうで、これは県の管轄でありますんで、どういうふうな保守管理をしているのか、あるいは点検をしているのか、そういうとこちょっとお聞かせいただきたいと思います。
重本河川振興課長
先ほどの今切川のお話ですが、津波対策の入ってないということにつきましては、津波で液状化して、それで遡上する高さ以下になるところということで、国から赤で示されるというふうに聞いております。

委員のおっしゃられてます、その共栄橋の前後につきましては、昭和50年ころの整備箇所であるという古いところでございます。旧堤でありますが、河川断面もあるということで、整備計画にも入ってない状況でございますので、今後、老朽化に対して、国にいろいろ維持管理については申し入れていきたいと思ってます。

それと、県の河川の管理についてでございます。日常の点検でございますが、日常は庁舎ごとに、河川のパトロールということで、傷んでる箇所の発見や不法投棄とか、不法占拠の発見や指導などを兼ねて、河川をパトロールしとるところでございます。

また、出水期の前、4月から5月ごろでございますが、地元の水防団の皆さんとか、消防団員の皆さんと一緒になって、重要な水防箇所については合同で点検を行って、出水時によく注意していただくようお願いしてるところでございます。台風時や、豪雨の出水時につきましては、水防警報を発表するなどして、水防団の待機とか、出動を各市町村に情報提供しておりまして、出水時に水防団のほうに現場を確認していただき、漏水等があったときには、適時対応していただいているところでございます。

また、台風の後、出水後でございますが、河川担当職員が現場に出向きまして、漏水の異常があったか、なかったかも点検させていただいているところでございます。しかしながら、県が管理する河川、県下で493河川ございます。延長にしますと1,800キロメートルということになっておりまして、毎日点検できる状態ではございません。そういう延長が長いところでございますが、県民の皆さん、地元の皆さんの協力を得ながら、当然情報もいただき、そこらをカバーしながら、適切に維持管理に努めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いします。
笠井委員
確かに、県管理の河川というのは小さな河川が多いんですけども、やっぱり数が非常に多いということで、今課長が言いましたように、今の職員体制では事前にそこまで回りきれん、その通りだと思います。

先ほど有持委員も言いましたけども、ほんとに地元の消防団員ていうのは、非常にたくさんおられますし、またほんとに災害が起きた、あるいは起きそうだということになりますと、命がけでその地区の水防にも行ってるわけです。だから、ほんとに地元の消防団員が一番よく知ってると思うんです。確かに、県も、悪いところは常時回って検査するぐらいの人数と時間があればいいんですけども、とてもそれだけの河川を常時見て回ることはできないと思いますんで、やっぱり地元の消防団なんかと相談しながら、こんな大きな台風のときはどうだったですかとか言えば、消防団はよくわかっておりますんで。越水した、その地区の住民が避難したということになれば、その地区だけは何とか少しかさ上げもしてもらえるんです。しかし、言わない地区、あるいは気がつかない地区は、何ぼ越水しても、何の対処もしていただけないというのでは。言ってこなかったら被害がないんじゃなくて、こんな被害がありませんでしたかと、地元の消防団に大きな台風の後に聞いてみるとか、それぐらいは、巡回するのと違っててできると思いますんで、ぜひ積極的に被害を防ぐんだという気持ちになって、対処してほしいなと、要望にかえときます。

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