徳島県議会議員 笠井国利の部屋

委員会発言

平成24年2月定例会 防災対策特別委員会(付託)

平成24年3月13日(火)
笠井委員
 今回出されました暫定津波浸水予想図について、何点かお聞きしたいと思います。
 その前に、八万のコミュニティセンターの防災の講演会があったんですけども、実は私これに出席しておりました。南海地震防災課の岡村副課長と徳島市の大西危機管理監2人に講演いただきました。私帰るときに、満員の住民の方たちからええ講演会だったというお褒めの声を聞きながら帰ってきたんで、せっかく私行ってましたので、庄野先生がこういう話を出しましたので、御披露しておきたいなと思いまして、名前を言わせていただきました。
 今回、津波予想図が非常に細かいところで想定されております。私の川内地区を見ますと、田んぼ一枚一枚全部何メートル来ると細かい予想が想定されておるんですけど、これはどういうことをたたき台にして作成されたのか、まずお聞きしたいと思います。
楠本南海地震防災課長
 津波浸水高、浸水マップの作成でございますが、まず震源が壊れて津波が発生して、どう津波が入ってくるかということで、それと地形図に関しましては15年度の作成で大体20メートルメッシュの地形図、そこへ地盤高ですとか、地盤沈下が起こるということで地盤沈下も考慮に入れて、川とかそういった津波の動きということで作成しております。
笠井委員
 実は、川内、松茂が完全に水没するという記事が載りまして、非常に地元の住民達も心配しているわけなんですね。これでもかなり詳しくわかるんですけども、例えば町民が自分の家はいけるのかどうかというのを調べる、例えばインターネットでもっと詳しいものを見るということはできるんですか。
楠本南海地震防災課長
 今回は、急いで対策や避難の見直しをしていただくために、15年度の地形データ等そういったもので暫定で作成しておりますので、現在もっと細かいメッシュで最新の地形データを集めております。見方について、色などもう少し分かりやすく見えるようにという御要望をいただいており、来年度予算をお願いしております。国のを受けまして県で新たに出す分につきましては、住民の方が見て分かりやすい予測図、市町の御協力をいただいてハザードマップ的な分かりやすい形で努力したいと考えております。
笠井委員
 ぜひ、住民が自分の家の水深を調べるのに、これじゃなくてもっと詳しく分かるような、インターネットを使って見えるような方法をぜひ早く検討していただきたいと思います。
 それから、これを見ますと、徳島県北東部ですね、津田、沖洲、川内、松茂、里浦、具体的に入っているんですね。もうひとつのこれを見ますと、最大、あるいは基本モデルが入っているんですけども、見ていくと北の方へ行くほど津波高が高くなっている。これはどういうことで北へ行くほど高くなっているのか説明をお願いします。
楠本南海地震防災課長
 私も専門でないのでうまく説明できるかどうかあれですが、津波が大きくなるには海底の水深や地形が影響します。特に、紀伊水道におきましては、水深100メートル以下ということで、水深が低くなると津波の速度が遅くなってちょうど波が重なったりする傾向にございます。紀伊水道全体がひとつの湾ということで、蒲生田と和歌山の日の岬、北側淡路までが湾と見なされますので、そこへ津波が入ってきますとゆっくりになって両側から圧縮されるような形になって奥の鳴門沿岸部のほうが高くなって、一見しますと近いほうが高いように思うんですが、蒲生田から北の場合はそういった構造上の地形と個々の地形によって変わってきたので、そういう結果になっております。
笠井委員
 今説明いただいたとおりだと思うんですけども、紀伊水道がひとつの大きな湾ということで、北のほうほど高くなるだろうと予測されてるんですね。そのとおり津田、沖洲というのは比較的津波高も低いと、里浦海岸が一番高いということなんですね。地形的にいいますと、全部遠浅地区の海岸沿いでそんなに変わらないんですが、湾の関係でなっているんだろうということなんですね。そうすれば、里浦、松茂、川内となる順番なんですが、川内地区だけがちょっと違い、順番からはずれている。なぜこういうことだったかという原因がわかりますか。
楠本南海地震防災課長
 特に沿岸の地形にもよります。徳島県の場合は海岸の構造物が効かない形でしており、おっしゃったように全体に浅くなっている遠浅、河川がある場合とか、海岸の地形や高さ、そういった地形的、地理的な要因で高くなっているところもございます。
笠井委員
 確かに自然ということもありますけれども、人工的な要因で川内が高くなっているということはありませんか。わからなければ、わからないと答えてくれればいいんですよ。
楠本南海地震防災課長
 済みません。そこのところはわかりかねます。
笠井委員
 それではお聞きいたします。
 海岸沿いに、海の中に離岸堤っていうのか、金平糖の様なやつを入れてありますが、あれは震災、波が来るのを防ぐ能力はあるんですか。何のために離岸堤をつくっているんですか。
元木港湾空港課長
 離岸堤をなぜ設置しているかというお話でございますが、今までの徳島県の海岸線の防災につきましては、第二室戸台風ということで、台風の波浪についての対応を主に考えておりまして、波特に風波を減衰するためには有効な手段であるということで施工しております。
笠井委員
 台風の波ということでつくってあると。津波の場合に、これが役に立つということは全然考えられませんか。
元木港湾空港課長
 今回の東日本大震災でございますが、東北の海岸線につきましては約6割の施設が被災したということがございますが、それぞれの施設が津波を減衰するために有効な効果があったということで、まだ国交省のほうでもいろいろ検討を進められておりますが、海岸線の堤防の前に消波ブロックがあって、それが引き波を減衰したとか施設をもたせたとかいうことがございますので、それぞれの施設につきまして津波を減衰する効果があるものと考えております。今後の取り組みでございますが、超えるような津波が来た場合でも、粘り強い構造物という非常に大事な視点のもとに整備を進めてまいりたいと思っております
笠井委員
 確かに、波に対して効果があるから海の中にあえて離岸堤をつくっているんですね。あの海岸線を見ますと、里浦にも離岸堤がある、松茂海岸にも離岸堤がある、川内だけ離岸堤がないんですね。さっき私が人工的にと言った要素はそういうことなんですよ。川内だけ離岸堤がない。なんでかな。今聞いたら離岸堤は効果があると。
 三連動、三連動と言いますね。最近は防災プラス減災、減災と言いますね。これがあるために、少しでも津波を小さくできることはあり得るんじゃないかと思うんです。
 例えば、これは最大書いてあります。三連動が起きた時に、恐らく川内は4.7が来るだろう、沖の洲は3.7だろうという予測をしているんですけども、確かに三連動が同時に起きた場合は恐らくこういうふうな数字が出るんだろうと思うんですよ。例えば南海地震だけが小さく起きる場合もある、東南海・南海だけが起きる場合もある、最大値はこうだけれどももっと小さい地震が起きる場合もある。その時、1メートルの波が来る、2メートルの波が来るという時に、1メートルの波でも弱い堤防が壊れるというのではやっぱり困るんです。想定外の5メートルも、7メートルも波が来た時には逃げないとどうしようもないんですけれども、1メートルの波くらいなら、台風の時にもそのくらいの水かさは上がるが、その時に堤防が壊れるのでは非常に困ることになる。ですから、最近減災、減災といわれてますので、大きな台風とか、小さな津波に耐えられるだけの海岸線の改修をしていかなければいけないんだろうなと。そういう中で見ていますと、川内に離岸堤がないんですね。離岸堤というのは、海の中ですけど県が直接できる工事なんですか。
秋月河川整備課長
 離岸堤についての説明をつけ加えたいと思いますけど、風雨、波浪に対して非常に大きな効果を持つというのはそのとおりで、その上に浸食対策という役目があります。要するに、砂の流出を防ぐと。砂をつけることによりまして、海岸、堤防というのはもちろん強くなります。強くといいますか、波浪の影響を受けなくて、結果的に波の打ち上げ高というのも少なくなります。ということで、離岸堤には、砂を流出させない、もしくは砂を定着させていくという役割があります。
 御指摘の小松海岸なんですけども、私のかすかな記憶で大変申しわけないんですが、離岸堤は吉野川の河口部のほうにはあったような気がするんですけども。北にいくにつれて砂の堆積もありまして、今の状況は、小松海岸につきましては砂の堆積は非常によくて、砂によって海岸堤防が守られているんじゃないかという状況にあると思います。
笠井委員
 もう一度現場をよく見てもらって、地元の者が、里浦、松茂には離岸堤があるのに川内にはないと言っておりますので、ないところにはつくってもらえたらと思います。
 それから、自主防災のほうで以前お願いしたんですけれども、川内町で東環状大橋を利用した防災訓練をマラソンの日にすることになりました。車をとめてするんじゃなくて、開通するまでにやりたいということで日も決まりましたので、関係者の方はお願いできたらなと思っております。ちょうどマラソンと重なるので非常に忙しいと思いますが、10時半に家を出て、どのくらいで逃げられるかということで、全部アンケート調査もすることにしておりますので、時間のある方、特に関係のある方はお越しいただいて、橋の上を使った訓練を見届けていただけたらなと思います。
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