文教厚生委員会行政視察報告
幼保一元化について(品川区.二葉すこやか園) 7月19日〜7月20日
品川区では平成9年から少子化が進み、平成14年9月より二葉幼稚園(4歳児から5歳児まで)の余裕教室を改修利用し、二葉つぼみ保育園(0歳児から3歳児)を開設(既存施設を利用していることから給食室のみを増設)。
なお、品川区では施策や方針などの事業名については「幼保一元化」、施設名には「幼保一体施設」として使い分けをしている。
当初、保護者からは就学前教育を受けさせたいという声があった一方、幼稚園の保護者からは反対の声もあり、幼稚園と保育所の相互理解が大きな問題であった。しかし、幼稚園と保育所が接する機会が増えたことから、年代を超えてうまく融合し、幼稚園児の保護者についても、我が子もこんな時期があり、今があるという事を認識できることから自然な形で運営が進んでいった。
幼保一元化の目的としては、0歳から修学前までの乳幼児期に月公教育法に基づく幼稚園と児童福祉法に基づく保育園が連携し、教育保育を一体的に行う「幼保一元事業」を実施し、女性の社会進出の増加や保護者が就労していても子供に幼稚園教育を受けさせたいという多様化した保育ニーズにこたえるものである。
基本的な方針としては、既存の幼稚園、保育所の携帯をそのまま遂行させるのではなく、家庭、地域、幼稚園、保育園が連携して一人一人の生きる力を伸ばし、社会性や創造性を高める教育を行い、保護者の子育てを支援し、乳幼児の健やかな成長をはぐくむ就学前の幼児教育を実施している。また保育園への過度に依存する風潮を改め、家庭での基本的習慣の確率を支援するための教育を積極的に推進している。
実施概要としては、二葉幼稚園では幼稚園教育時間の前後、土曜日及び夏期休業等長期休業中の午前7時30分から午後7時30分までの間、預かり保育を実施しており、二葉つぼみ保育園から、引き続き二葉幼稚園の預かり保育を利用しようとする場合、優先的な取り扱いを行っている。また、保育園児及び預かり保育利用園児以外の幼稚園児に対し、幼稚園の教育課程の中で「食の教育」として週2回程度給食(食材については品川区内の商店で購入)を提供している。
管理運営体制については、一人の施設長(幼稚園長)のもとに、幼稚園教諭と保育士がそれぞれの専門性を生かしながら一体的な運営を行っており、幼稚園長は保育園長を兼務し、幼稚園、保育所を代表して所属職員を指揮監督しているが、保育園認可届け出上は、保育資格を持つ保育担当主査(施設の一元化により、幼稚園長と保育園長が両立することになり、利用者や対外的な関係に於いてまた、両施設間の職員の融和を図る観点から幼稚園長と区別するために保育園長とはせず、保育担当主査としている)を充てており、保育担当主査は幼稚園長の命を受け、保育園の運営を担当している。
職員については、職種(幼稚園教諭、保育士)が違うことから給与等の待遇が違うが、そういったことを超えた中で子供達に対する職員それぞれの思いが重要であることから、相互に研修を行い、それぞれの技術経験が生かされている。また、当該施設の職員に限らず、区の保育士は幼稚園教諭の免許取得を目指し、自主的に勉強会を実施している。
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