海外視察調査報告書 オランダ・ハウテン市
 『自転車社会のまちづくり』について


 オランダは国土の約4分の1が海抜下にある。沼地のような所を埋め立て、国土をつくった町づくりは今でも行われている。何もないところに政府が新たに町をつくる。堤内は外との圧力調整のため水路を張り巡らし、運河や水路を建設している。その水調整のため昔は風車が至る所に立ち並んでいたが、現在は、観光用に少しだけしか残っていない。
 ハウテン市は、オランダの中央部、ユトレヒト南6qにあり、人と環境に優しい画期的な町づくりが行われた。
 町から車を閉め出し、町の中心の商業地区や住宅地区を自転車道が縦横無尽に走っており、両脇には緑が植えられている。
 自動車道は町の外環状線を回っており、町の中はわざと曲がりくねった道づくりになっており、しかも極端に道幅を狭くしてあるとともに、自転車道と自動車道が交差するところでは、自転車に優先権が与えられている。
 道路は自然の石を敷き詰め、まるで公園の中に住んでいるような錯覚さえ感じるのである。
 自転車都市ハウテン市の町づくりは、環境面でも成果を上げ、空気が汚染されなくなったので、人々が住みやすい環境になっている。

 よくこんな町づくりができたと感心するばかりであった。


 今回の海外視察を振り返ると、行程に少し欲張りすぎた感があり、移動が忙しく、「じっくりと感じ取る」にはさらに時間を要した。しかし、事前から見聞きしていた先進的な環境政策等の現場は、十分にインパクトのあるものであった。
 環境と文化を守り育てる「住民自治」は日本ではまだ始まったばかりである。
 我々視察団は、先進的なヨーロッパの事例に学ぶことは大きいと痛感したのである。

『百聞は一見にしかず』である。

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