海外視察調査報告書
 ドイツ『エコセンター』について

 エコセンターは1986年に自然保護・環境保護との観点から設立され、スタッフ50名と多数のボランティアや『POND』と言うNPO法人で運営活動をしている。
 会員は全国に2000グループ、35万人いて各地で活動をしている。

 建物は市の所有であるが、運営は、市から交付される3万ユーロ(採石・採取跡貯水池の浄化対策と公園管理の協力金)により行っている。
 これは全予算の20%に当たる。残りの運営費用は、イベントを企画して環境省へ申請し、プロジェクトとして認められれば費用が交付されることもある。
 また企業に対しては、中立の立場に立った上でスポンサーになって貰ったり、里親制度として活動し寄附を受けたりすることもある。しかし市より援助金を貰ってはいるが、独立した活動組織なのである。市と中立の関係で活動をしている。

 事業目的は、子供の頃から環境教育を行うことで、馴染み育てるものとして、頭で習うのではないという趣旨に基づき、子供に向けてのプログラムを核としている。センターでの教育は身体で自然を感じて習うことで、フィーリングを大切にするような体感型につくられている。
 エコセンターの建物は環境に優しい構造になっており、ソーラー発電機パネルや温水になるソーラーコレクターも屋根に取り付けるとともに、雨水をトイレや洗濯水に使える設備もあり、地元の木材を使いログハウスのようであった。

 ソフト面では、日曜日に家族でここへ来て楽しめるようなイベントも企画している。例えば子供達が買い物をするとき、いかにすればゴミを出さない買い物ができるのか体験して貰う。また近くには有機農業している畑があり、薬草やハーブを使ってクリームやオイルをつくったり、古紙から紙すきを使って紙をつくるというような、直接体験して貰うようプログラムが用意されている。
 また、様々なエコロジカルなテーマをとらえて企画活動している。その一つには食と農業を通じて一般家庭に及ぼす食文化を考えたり、いままでの化石燃料に頼らないエネルギーをどうしていくのか、再生化のエネルギー、つまり太陽エネルギーや水力エネルギー、風力エネルギーを考えるというようなテーマでイベントを開催している。
 また、幼児を対象に、幼児期から環境を考え、教育するクラス、「グリーン・クラスルーム」も企画さている。年間の利用件数は、視察も含め約350件とのことであった。

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